お正月に欠かせない松と縁起物とされる植物について
日本のお正月では、神社仏閣に初詣を行うケースも多く、自宅に門松を飾るといったケースも多いでしょう。しかし、どうして門松を飾るのか、松を使用するのかわからないという方もいるのではないでしょうか。今回は お正月に欠かせない樹木である松と縁起がいいとされる植物について解説していきます。
お正月に使用する樹木の代表格「松」について
お正月に欠かせない樹木に「松」があります。松は黒松(クロマツ)、赤松(アカマツ)などのマツ科マツ属の常緑高木の総称を表す言葉です。代表的な松の種類と特徴は次のようになります。
- 黒松・・・北海道以外に自生しており、雄松とも呼ばれる。樹皮の色が灰黒色となっており、成長速度は2年ほどでも30センチ程度だが、大きさは30m以上に成長する
- 赤松・・・北海道以外に自生し、雌松とも呼ばれている。樹皮が赤い色を帯びており、 育て始めの数年は成長スピードが遅いものの、その後は急速に成長し20メートル以上になるケースが多い
- 五葉松・・・北海道を含めた山地に自生している。 耐暑・耐寒性能に優れている。育て始めの1年は10センチ程度しか伸びないが、2年目以降は 急速に大きくなる。しかし、サイズとしては赤松より小さめ
- 大王松・・・アメリカ原産の松。完全に成長するまでには100年ほどの時間がかかり、葉は「不老長寿」の花言葉を持つ。日本に伝わったのは1912年。
- 這松・・・地面を這うような生え方からその名がついた。樹皮は灰褐色や黒褐色であり、高さは2メートル程度。寒冷地や山地に多く、群生していることが多い
松は総じて、冬でも枯れることはなく見栄えがする樹木です。普段気にすることは少ないものの、様々な種類の総称を松と呼んでいることは知っておきましょう。
お正月に関連する植物が意味するもの
お正月では、松の他に「葉牡丹」「千両」「南天」「菊」「鉄砲百合」などが使用されています。縁起を担ぐ人々の社会で生まれた飾りものは、ことばの言い回しや駄洒落から派生するものが多くなっています。
では、お正月にまつわるそれぞれの意味をみていきましょう。
まず、松は「神をまつ」。とくに門松は年神様を迎えるための目印とされており、平安時代から文化は続いています。
次に、暖地に自生し、赤い実をつける植物である千両(センリョウ)も正月にちなんだ植物です。その名の通り「お金」を意味し、元々違う漢字でしたがこちらを使うようになりました。万両という植物もあるものの、実が下を向いてしまうため、縁起物として使われるのは千両となっています。
また、南天は赤い実をつけるメギ科の常緑低木です。高さはあっても3メートルほどで「難を転ずる」という縁起のいい語呂と、汁が黄色いことからその汁を「黄金」と見て尊ぶといった文化が育まれてきました。
そして、葬式のイメージが強い菊も「福を呼ぶ」・「不老不死」を象徴する縁起物として人気があります。菊を飾ることによって福を呼ぶといった信仰が平安時代前後からあり、比較的長期間飾ることができる点から、お正月に飾る植物として使用されています。
最後に、竹は常緑の植物であり、結界として立てられるケースは多いでしょう。庭園や仏閣の中での区画分けだけではなく、地鎮祭などでは神様が存在する場所を作る清浄な植物としても扱われています。
まとめ
松を含めた正月の縁起物は、「彩」や「使いやすさ」をテーマにアレンジされているといえるでしょう。Flower&GardenLABO(フラワーアンドガーデンラボ) では、園芸研究家として苔の本も出版をしている大野好弘が苔を使ったお正月の寄せ植えもオーダー販売しています。
また、2023年のお正月の時期は過ぎてしまいましたが、寄せ植えは個性的なアレンジを好む方へのプレゼントや自分への贈り物に最適です。手入れが得意ではない方にはフェイクを使った雑貨もオススメです。材料を付け替えれば四季を通じた部屋飾りになるでしょう。
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